クリーチャー造形で学ぶ造形思考と立体表現のメカニズム
講座詳細

らしさの抽出
いいと感じた資料やモチーフを、作品の「らしさ」として具体的に活かすための観察眼を養います。その印象を決定づけている根底にある要素を理解し、自己表現にも商業的造形にも活用できる分析力と表現力を身につけます。

ZBrushの活用方法
受講者が作りたい形状をストレスなく具現化していくために、タンノハジメが実際にZBrushをどのように操作し、思考しているのかを公開します。制作プロセスを真似るだけでは超えられない壁を乗り越えるためのツールとの向き合い方を身に付けることができます。

量感のコントロール
立体造形において魅力的で説得力のある量感を作り出すための量感のコントロールを解説します。何を手掛かりに、どのように立体を構成し、不自然さのない構造として構築していくのかという、造形の根幹となる思考プロセスを公開します。

要素を取捨選択する際のポイント
造形を美しく、一貫性を持ってまとめるために必要な要素の取捨選択と、立体のリズムの調整について、実例を交えて解説します。見る者の視線を意図的に誘導し、作品としての完成度を高めるためのデザインの核心を学びます。

細部のコントロール
クリーチャーに生命感とリアリティを与えるための微細なディテールを詰める際に必要な専門知識を解説します。具体的にスムーズに進められる手順と共に、説得力のある質感を表現するためのZBrushの応用テクニックを習得します。

基礎的な分割の手法
制作した造形物を現実の空間に出力する際に不可欠な分割設計を基礎から習得。どのような用途や出力方式を想定するかに応じて、立体として破綻なく成立させるための実用的な分割方法の知識を身につけます。
※上記の画像は講座に対する理解を深めるためのイメージです。
- 1次公開(第1 ~ 11講):2026年2月23日
- 2次公開(第12 ~ 26講):2026年4月9日
※下記の画像は講座に対する理解を深めるためのイメージです。
※講座動画の公開時期や、カリキュラムのイメージ・内容などは予告なく変更になる場合がございます。予めご了承ください。
01.はじめに- 自己紹介 - 実績紹介と制作にまつわる思考について - 講義の段取りの解説
02.エスキース-要素の取捨選択- 資料の見方・デザイン論
03.エスキース-完成図を想像する- 具体への落とし込み方の解説
04.頭部の造形-ベースモデル①- 頭部ベースモデルの造形
05.頭部の造形-ベースモデル②- 頭部ベースモデルの造形
06.頭部の造形-中間ディテール①- 頭部の形状を決める
07.頭部の造形-中間ディテール②- 頭部の形状を決める
08.頭部の造形-細部①- 完成が想像できる程度の詰め
09.頭部の造形-細部②- 完成が想像できる程度の詰め
10.全体のシルエット造形①- エスキースに合わせて形成する - 手足などのバランスを決める
11.全体のシルエット造形②- エスキースに合わせて形成する - 手足などのバランスを決める
12.身体の造形-全体のボリュームを決める①- 全体の立体としてのデザイン決め
13.身体の造形-全体のボリュームを決める②- 全体の立体としてのデザイン決め
14.身体の造形-パーツの形状を決める①- 主に四肢などの作成
15.身体の造形-パーツの形状を決める②- 主に四肢などの作成
16.細部造形①- 細部を素材など組み合わせながら彫刻する
17.細部造形②- 細部を素材など組み合わせながら彫刻する
18.ポーズ調整①- ポーズを調整して作品として成り立たせる
19.ポーズ調整②- ポーズを調整して作品として成り立たせる
20.造形の仕上げ①- ポーズ変更後の形状調整
21.造形の仕上げ②- ポーズ変更後の形状調整
22.分割の準備①- 分割の前の下準備(負荷を軽くする処理など)
23.分割の準備②- 分割の前の下準備(負荷を軽くする処理など)
24.分割①- ブーリアンを用いた分割
25.分割②- ブーリアンを用いた分割
26.講座のまとめ- 講座のまとめ - 受講生へのメッセージ
当講座は、以下のツールを使用します。
- Zbrush 2022以上
- 有料アセット(推奨)
※講座の一部で有料アセットを使用しますが、購入がなくても作品制作は可能です。
※プログラムの注意事項必要に応じて作成
こんにちは、造形作家・キャラクターデザイナーのタンノハジメです。
ゲーム会社にて3Dデザイナーとして経験を積んだのち、2025年より独立。現在はフリーランスとして、クリーチャーを中心にゲーム・映像分野のキャラクターデザインや商業原型の制作を手がけています。
ワンダーフェスティバルをはじめとする造形イベントにも継続的に参加し、オリジナルのガレージキットや怪獣アレンジ作品を発表。大型立体作品の制作にも注力しており、2024年には造形作家グループ展「GOLEM Ph2」への参加をきっかけに、本格的に作家としての活動を展開し、同企画展などで作品を発表しています。
本講座では、ZBrushを用いたフィギュアやガレージキット制作の実践的なプロセス解説に加え、立体作品として魅力的に成立させるための構成や、キャラクターデザインにおける思考の組み立て方をお伝えします。
該当の分野を勉強している方、この講座を受講しようか悩んでいる方は、どういう部分を一番難しいと思っているでしょうか?本講義を通じて、そのような部分をどういう風に解決できるでしょうか?
ソフトの理解がある程度進み、作業プロセスを把握していても、すぐに造形が巧くできるようになるとは限りません。その段階で、何をどのように改善すればよいのか分からず、行き詰まってしまうことも多いと思います。本講座では、作品や世の中のモノをどのような視点で捉えているのかという考え方も交えながら、実際の作業をじっくりと解説します。そうした思考と制作プロセスを追体験することで、さまざまなアウトプットに応用できるヒントを得ていただければと考えています。
講師さまご自身は、勉強してきた中で難しかった部分、それを解決するためにどのような努力をされてきましたか?
慣れないツールを手足のように自在に扱えるようになるには、どうしても時間がかかります。私自身も、制作と試行を重ねる中で、とにかく手を動かす時間を増やすことで、次第に作りたいものをある程度思い通りに形にできるようになりました。
フィギュアを制作する際、どの部分に一番力を入れていますか?また、それを表現するスキルにはどのようなものがありますか?
作品の巧さとは、伝えたい印象をノイズなく届けるための手段だと考えています。そのため、不必要な違和感を取り除くことに力を入れています。
また、オリジナル作品においては、まず自分が何を好きなのか、どのような良さを伝えたいのか、そして観る人に何を感じてほしいのかといった、「伝えたい」という意思を明確に持つことが重要です。スキル以前に、その想いを最後まで形にし、作り切る魂こそが何より大切だと思います。
講師さまがお考えになる、フィギュア業界分野においての市場性、展望についてお話しください。
クリーチャー造形はニッチな分野ではありますが、そのスキルや考え方はさまざまな分野で活かすことが可能です。フィギュアやゲームをはじめとする多様なアウトプットに活かせる観察力と技術、そして向上意欲があれば、変化の激しい業界の中でも、自分なりの立ち位置を見つけられるのではないでしょうか。
【WORKS】 『PlayStation 30th CM x YOASOBI』キャラクターデザイン/モデリング ACRO『KAIJU REMIX グドン』デザイン/原型 Prime1Studio 『アルティメットジオラママスターライン ベルセルク ガッツ VS グルンベルド (使徒形態)』 原型 等 【展示】 中西宏彰・タンノハジメ 二人展「-META-」 「GOLEM Ph2」 【書籍】 造形作品集DRAGON スカルプターズ06~08 スカルプターズ・ラボ01~03 等 【セミナー】 ドラゴンスカルプトテクニック スペシャルセミナー 登壇 CGWORLD SCULPTORS DAY 2025 登壇
【WORKS】 『PlayStation 30th CM x YOASOBI』キャラクターデザイン/モデリング ACRO『KAIJU REMIX グドン』デザイン/原型 Prime1Studio 『アルティメットジオラママスターライン ベルセルク ガッツ VS グルンベルド (使徒形態)』 原型 等 【展示】 中西宏彰・タンノハジメ 二人展「-META-」 「GOLEM Ph2」 【書籍】 造形作品集DRAGON スカルプターズ06~08 スカルプターズ・ラボ01~03 等 【セミナー】 ドラゴンスカルプトテクニック スペシャルセミナー 登壇 CGWORLD SCULPTORS DAY 2025 登壇